【実際に使った感想】Googleスプレッドシートに搭載された生成AI機能(Duet AI)にガッカリした話
Googleスプレッドシートに新たに搭載されたGoogle公式のAI、「Duet AI」を使ってみた結果、期待していた機能とは全然違いかなりガッカリしました….
そこで、今回、この記事では、GoogleスプレッドシートのAIに期待を抱いている方々が使ってみた際に同じようなガッカリ感を味わわないよう、実際に「Duet AI」で何ができて何ができないのかをまとめてみました。
ちなみに、「Duet AI」は現在β版で、日本でも利用可能ですが、日本語では利用できず英語でのみ利用できます。
Duet AIとは
「Duet AI for Google Workspace」は、GoogleスプレッドシートやGoogleスライドなどの、Googleが提供す各アプリに搭載される作業効率化AIです。
ChatGPTやBardのように、自然言語で指示を出すことで各アプリでのタスクが効率化されます。
Duet AIの詳細や日本での利用方法については以下の記事で解説しているので、こちらを参考にしてください
期待していたこと
GoogleスプレッドシートにAIが搭載されると聞いて、私が一番期待したのは 「指示を出せば、スプレッドシート上のデータを使っていい感じに分析してくれる」 ことでした。
ちょうど最近リリースされたChatGPTの新機能「Code interpreter」の分析能力が非常に高かったことから、スプレッドシートのデータを使って直接分析できるようになればどんなに便利になるだろうかと夢を見ていました
実際に「Code interpreter」では簡単な指示を出すだけで売上分析が可能で、しかもただ分析結果を出力するだけでなく、データから読み取れることを考察してどんな施策をすれば良いかまで考えてくれました
もちろん、GoogleスプレッドシートのAIにそこまでは期待していませんでしたが、「このデータからこんな感じに計算して」と言ったら簡単な集計をしてくれたり、「このテーブルからグラフを作って」とか言えばいい感じのグラフを作ってくれるぐらいはやってくれるかなと思っていました。!
実際に使ってみた感想
※現時点ではまだ英語でしか指示を出せないので、全て英語で指示を出しています。(Google翻訳使っているので、英語に間違いがあるかもしれませんがご了承ください….)
Duet AIが利用できるようになると、メニューバーにある「Help me organize」を押すと、画面の右側にチャット欄が表示されます
ダミーデータ作成
せっかくなので、データ分析をしてもらうためのダミーデータをDuet AIに作ってもらいました
「データ分析できるようにアパレル店舗のPOSデータを30行作成してください」と指示したのに、10行しかないのは気になりますが、とりあえず作ってもらえました
ただChatGPTにお願いした時に比べると、ややデータの作りが適当だなと感じました(プロンプトが悪いのかもしれないですが)
グラフ作成
次に、これらのデータを使って簡単な棒グラフを作ってもらいます。
「これらのデータから商品ごとの売上の棒グラフを作成してください」と指示したところ、先ほど作ってもらったテーブルに上書きするように別のテーブルを作り始めました….
ちゃんとセルを指定していなかったのが原因かもしれないので、セル指定してお願いしてみます。
「A1からF11のセルのデータを使って、商品ごとの売上の棒グラフを作成してください」と指示しましたが、先ほど同様に作ってもらったテーブルに上書きするように別のテーブルを作り始めました….
この時点で、「あれ、想像していたのと違うぞ…」という気持ちが芽生えてきます。
データ分析
気を取り直してデータ分析をしてもらいます
手始めに、「E列とF列のデータを使って、合計売上金額を新しい列に出してください」と簡単な掛け算を行ってお手並み拝見といきます
「we’ll still learnig and can’t help with that(できないよ!)」と言われてしまいました。
この後、何度かプロンプトも変えてみましたが、いずれも断られてしまいました…
この時点で「今回、スプレッドシートに搭載されたAIは分析やグラフの作成をしてくれるAIではない可能性が高い」と思いました
スプレッドシートのDuet AIでデータ分析ができなかった原因
期待していたことが全くできないので、改めてヘルプページを見たところ、このAIでデータ分析ができない原因が分かりました
>Organize with AI in Google Sheets
原因①そもそもデータ分析する機能じゃない
ヘルプページを読んだところ、やはり、今回スプレッドシートに搭載されたAIは分析やグラフの作成をしてくれるAIではないみたいです。
そもそも今回使える機能の名前が「Help me organize(整理を手伝って)」という名前で、情報を整理してテーブルを作ってくれる機能のようです
例えば、旅行計画やタスクのリストの作成をお願いして、テーブル形式でまとめてもらうのが主な使用用途になります。
正しい使い方をすれば、それなりの成果は出してくれそうですね
試しに2泊3日の北海道旅行の日程を考えてもらったら、分かりやすくテーブルにまとめてくれました。
②既存のデータを参照したり編集したりできない
ヘルプページに「既存のコンテンツを編集または参照することはできません。」とはっきり書いてありました
これでは、分析やグラフを作れるわけないですよね
結論
今回、搭載されたGoogleスプレッドシートは「データ分析やグラフを作成するAI」ではなく、「情報を整理してテーブル形式で出力してくれるAI」でした。
せっかくスプレッドシートに搭載されたAIなのにスプレッドシート上のデータを扱えないのは正直言って非常にがっかりしました….(勝手に期待してただけですが)
ちなみに、近いうちにMicrosoftもExcelにAIを搭載する予定で、そちらはちゃんと自然言語で指示を出すだけで分析やグラフの作成が可能と発表されています。
Excelに期待通りのAIが搭載されることが発表されているだけに、スプレッドシートも同じようなAIが搭載されていればなと思っちゃいます
また、TableauやPowerBI、Quickinsightにも自然言語で指示を出すだけで、分析してくれたりダッシュボードを作ってくれる機能が搭載されるみたいです。
TableauやPowerBI、Quickinsightの機能の詳細は以下のページで解説しているので、こちらも良かったら参考にしてみてください!