GPT-6.1 Sol の使い方|OpenAI 公式が「やめて・見直して」と言う8つのことと Codex での切り替え方

GPT-6.1 Sol 見直したい8つの一覧図
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OpenAI は2026年9月29日に GPT-6.1 Sol(モデルID は gpt-6.1-sol)を公開しました。

同じ日に、Codex CLI の同梱カタログでも、既定のモデルが GPT-6.1 Sol に替わりました。

公式は、このモデルをGPT-6 Astra に近い性能を、低いコストで使えるモデルと説明しています。

実際、API の単価は入力 $2・出力 $10(100万トークンあたり)で、Astra の $10・$50 を下回る水準です。

ただ、安くて速いモデルに替えるだけで済むとは限りません。

公式の資料を読むと、設定・指示文・退役日の3か所に、使い方の見直しを求める記述がありました。

たとえば、AGENTS.md に書き足してきた「必ず確認を取る」「毎回テストを書く」といった指示は、新しいモデルで作業を途中で止める原因になりうると、公式ブログが GPT-6 Astra を例に書いています。

一方で、GPT-5.5 は2026年10月14日に ChatGPT と Codex から退役するため、設定の書き換えも急ぎましょう。

そこで、この記事では公式が「やめて・見直して」と言う8つのことを原文に沿って整理し、ChatGPT と Codex で GPT-6.1 Sol に切り替える手順までを解説していきます。

この記事で分かること
  • 公式が「やめて・見直して」と言う8つと、何をどう変えればいいか
  • ChatGPT と Codex(CLI・設定ファイル・アプリ)で GPT-6.1 Sol に切り替える手順
  • GPT-6.1 Sol の API 単価・使える範囲と、Astra との違い
  • 公式のおすすめどおり Codex で動かして確かめた実測

公式ドキュメントと料金ページは2026年10月1日に確認しました。

目次
  1. 結論:公式が「やめて・見直して」と言う GPT-6.1 Sol の8つ(一覧)
  2. GPT-6.1 Sol とは:Astra・GPT-6 Sol との違いと使える範囲
  3. 公式が「やめて・見直して」と言う8つのことを1つずつ
  4. ChatGPT と Codex で GPT-6.1 Sol に切り替える手順
  5. 公式のとおり Codex で試した結果:GPT-6.1 Sol の実測
  6. 8つのほかに、API で変わった点
  7. GPT-6.1 Sol のよくある質問
  8. まとめ:今日やることチェックリスト

結論:公式が「やめて・見直して」と言う GPT-6.1 Sol の8つ(一覧)

まずは結論として、公式の資料が見直しを求めている8つを、1枚の図と一覧にしました。

各項目の理由は次の章で1つずつ見ていくので、ここでは全体像をつかんでください。

GPT-6.1 Sol 見直したい8つの一覧図
図:Ainova 作成
結論:8つの一覧
  1. gpt-5.5 を Codex・ChatGPT の設定から外す(2026年10月14日に退役) → 対象:Codex・ChatGPT
  2. effort は minimal・none ではなく、low から選ぶ → 対象:Codex・API
  3. AGENTS.md と skills の指示を棚卸しする → 対象:Codex・ChatGPT Work
  4. 「先に確認を取れ」と書いた境界文を緩める → 対象:Codex・ChatGPT Work
  5. 「レビューまで止まれ」より、完了の定義を書く → 対象:Codex・ChatGPT Work
  6. 「テストを必ず書け・回せ」をやめて、テスト量を絞る → 対象:Codex
  7. 長い skill の説明と「毎回全部読め」をやめる → 対象:Codex
  8. AI 臭い語を名指しで禁止する → 対象:Codex・ChatGPT・API

8つの確かさは同じではありません。

1番と2番は退役日と対応する値という仕様の話で、公式が言い切っている部分です。

一方、3番から8番は指示文の見直しで、公式が使う語の強さも、項目ごとにそろっていません。

最も強いのは3番の「strongly recommend(強く勧める)」で、4番・5番・7番は「consider(検討して)」「check whether(確かめて)」にとどまり、強い推奨ではありません。

3〜8番は「Astra で観測した挙動」です

公式のプロンプトガイドが、書いてあることを「GPT-6 Astra で観測した挙動」と断っている点に注意してください。

つまり、GPT-6.1 Sol でも同じ挙動になるかは、公式も言い切っていません。

そのため本文では、Astra の話は「Astra」と書き、Sol で確かめた分は後半の節に分けました。

GPT-6.1 Sol とは:Astra・GPT-6 Sol との違いと使える範囲

8つの見直しは、どのモデルから乗り換えるかで当たる項目が変わるため、先に前提を押さえておきましょう。

ここからは、その前提になる GPT-6.1 Sol の位置づけと、使える範囲を解説していきます。

公式の GPT-6 系列は、次の3つに分かれています。

  • GPT-6 Astra:最高性能(Highest intelligence)
  • GPT-6.1 Sol:速度・コスト・性能のバランス。Near-Astra performance for complex work at a lower cost
  • GPT-6 Luna:最速・最安(Fastest and most cost-effective)

この中で GPT-6.1 Sol は、公式が「複雑なコーディング、コンピューター操作、専門業務で、Astra に近い性能を低いコストで使いたいとき」に向けると書いているモデル。

詳しくはUsing GPT-6とGPT-6.1 Sol のモデルページを見てください。

モデル入力(100万トークン)出力(100万トークン)
GPT-6 Astra$10$50
GPT-6 Sol$2$10
GPT-6.1 Sol$2$10

つまり GPT-6.1 Sol の API 単価は、Astra の5分の1です。

GPT-6 Sol と並べると入力・出力は同額で、違いはキャッシュ入力で、GPT-6 Sol の $0.2 が GPT-6.1 Sol では $0.1 になりました。

ChatGPT のサブスクで Codex を使う場合、API 課金ではなく使用量の枠で数えることを覚えておきましょう。

公式の料金ページにある Plus の目安は、5時間あたりのローカルメッセージで、Astra が 5-45、GPT-6.1 Sol が 15-160 と書かれています。

ただし、この数字は固定の上限ではなく、タスクの大きさや文脈の長さで変わると公式が断っているため、目安として見てください。

使える範囲(2026年10月1日時点の公式ページ)
  • 発売時の対象:Plus・Pro・Business・Enterprise・Edu の、デスクトップアプリと CLI の Codex、Web・モバイルの ChatGPT Work
  • Enterprise と Edu は、管理者が有効にするまで既定でオフ
  • Free と Go は発売時には対象外
  • ChatGPT の「Chat」には出ない(Work と Codex のみ)
  • Standard と Fast は発売時から。Ultrafast は後日(coming later)

出典:Codex のモデルのページ。

Astra との選び分けについて、公式は「自分の課題で比べて、品質とコストのバランスを見て」と書いているだけで、基準は示していません。

この比べ方は、後半の節で扱います。

公式が「やめて・見直して」と言う8つのことを1つずつ

一覧で全体像をつかんだところで、ここからは8つの中身を公式の原文に沿って解説していきます。

各項目は、公式の記述、直し方の例、現場での場面の順に並べました。

並べ方は、期限や仕様で決まっているものを先にし、指示文の見直しを後にしています。

3番以降は公式が GPT-6 Astra で観測した挙動として書いているため、Astra の話にはその旨を明記しました。

なお、Before と After のコードは、公式の文章を日本語にして筆者が書いた例であり、公式が出しているコードではありません。

1. gpt-5.5 を設定から外す(2026年10月14日に退役)

最初に取り上げるのは、日付が決まっていて、いちばん急ぐ項目。

公式の Codex モデルのページによると、2026年10月14日に GPT-5.5 は ChatGPT・ChatGPT Work・Codex のすべてのプランから退役します。

図解 1:gpt-5.5 は 10/14 までに外す(これまで→見直したら)
図:Ainova 作成
公式ドキュメントの記述
  • GPT-5.5 retirement:「Replace `gpt-5.5` in workspace defaults, saved model settings, managed configurations, custom agents, scheduled tasks, and scripts that select a model.」(ワークスペースの既定、保存したモデル設定、管理設定、カスタムエージェント、定期実行、モデルを選ぶスクリプトの gpt-5.5 を置き換える)
  • 対象:ChatGPT サインインで使う ChatGPT と Codex。API と、API キーで認証した Codex は対象外
  • 公式の置き換え先:Plus・Pro・Business・Enterprise・Edu は gpt-6-sol、Free・Go は gpt-6-luna
  • 強さ:確定(日付あり)

公式が置き換え先として名前を挙げているのは gpt-6-sol で、gpt-6.1-sol ではありません。

ただ、GPT-6.1 Sol も同じページで案内されていて、API の単価は GPT-6 Sol と同額です。

どちらに替えるかは、自分の課題で比べて決めましょう。

Before:見直す前
# ~/.codex/config.toml
model = "gpt-5.5"

# 定期実行のスクリプト
codex exec -m gpt-5.5 "今日の差分をレビューして"
After:見直したあと
# ~/.codex/config.toml
model = "gpt-6.1-sol"

# 定期実行のスクリプト
codex exec -m gpt-6.1-sol "今日の差分をレビューして"

現場では、チームで共有している config.toml、毎朝動かしている codex exec のスクリプト、カスタムエージェントの設定のどこかに、gpt-5.5 が残っていないかを探すのが最初の作業です。

次のように grep で一括して探すと早く済みます。

grep -rn "gpt-5.5" ~/.codex ./

退役後に古い指定がエラーになるのか、別のモデルに置き換わるのかは、公式のページに書かれていません。

したがって、10月14日より前に書き換えておくのが安全でしょう。

2. effort は minimal・none ではなく、low から選ぶ

モデルを替えたあとに、次に確かめるのが推論の深さを決める effort です。

GPT-6.1 Sol は none と minimal に対応していません。

図解 2:effort は low から(これまで→見直したら)
図:Ainova 作成
公式ドキュメントの記述
  • Using GPT-6 の Migration quickstart:「GPT-6 Astra and GPT-6.1 Sol do not support `none`; use `low` instead.」(none には対応しない。代わりに low を使う)
  • 同じ箇所:「If your existing request uses `minimal`, start with `low` and compare results on representative tasks.」(minimal を使っていたら low から始め、代表的な課題で結果を比べる)
  • モデルページ:選べる値は low・medium(既定)・high・xhigh・max
  • 強さ:none は仕様、minimal は推奨

つまり、これまで速さを優先して minimal や none にしていた人は、low から選び直す必要があります。

GPT-6 Sol と GPT-6 Luna は none に対応しているので、GPT-6 Sol から 6.1 Sol に上げるときも、none を使っていると同じ設定のままでは動きません。

Before:見直す前
# Responses API(筆者の作例)
reasoning={"effort": "none"}   # または "minimal"
After:見直したあと
# Responses API(筆者の作例)
reasoning={"effort": "low"}

# Codex の config.toml
model_reasoning_effort = "low"   # API の既定は medium(Codex CLI 0.159.3 の /model では Low が既定)

Codex の config.toml では、model_reasoning_effort の値が low・medium・high・xhigh・max・ultra と書かれていて、none や minimal は一覧にありません。

Codex だけを使う人であれば、画面や設定ファイルの値を low から選べば足りるでしょう。

渡したときにエラーになるかどうかは、Astra の none では HTTP 400 と公式が書いています。

一方、GPT-6.1 Sol の分は原文で確かめられませんでした。

現場では、短い要約や分類のような軽い自動処理だけを minimal にしていた場合が影響を受けやすいでしょう。

low にしたあとは、同じ課題の所要時間と出力を並べて比べてください。

公式が勧める手順も、これと同じ形でした。

3. AGENTS.md と skills の指示を棚卸しする

ここからは、指示文そのものの見直しに入りましょう。

8つのうち、公式が最も強い語で勧めているのが、AGENTS.md と skills の棚卸しです。

図解 3:AGENTS.md と skills を棚卸し(これまで→見直したら)
図:Ainova 作成
公式ドキュメントの記述
  • Instruction following:「We strongly recommend auditing skills and other files accessible to your model for instructions that could influence its behavior.」(モデルが読める skills などのファイルを、挙動に影響しうる指示がないか点検することを強く勧める)
  • 理由(公式):GPT-6 Astra は指示への従い方が前のモデルより強く、skills や AGENTS.md の中の指示にも敏感になりうる
  • 強さ:全項目で最も強い語。ただし must ではなく strongly recommend

公式は、skill の中に曖昧な指示や矛盾する指示があると、モデルが早い段階で作業を止めてしまうことがあると説明しています。

したがって、棚卸しで見るのは「古いか」より「ほかの指示とぶつかっていないか」の点です。

Before:見直す前
# AGENTS.md
質問を受けたら、実装せず方針だけ答える。

# skills/deploy/SKILL.md
依頼を受けたら、確認せず最後まで実装して反映すること。
After:見直したあと
# AGENTS.md
skill の指針よりも、ユーザーの指示が優先される。
ユーザーの明示的な指示と skill の指示が食い違うときは、ユーザーの指示を優先すること。

# 点検用の依頼(作業が止まったとき)
止まった理由になった SKILL.md の名前とリンクを示し、該当する指示を引用して。

After の優先順位の1行は、公式のプロンプト例にある文を日本語にしたものでした。

点検用の依頼も、公式が「読んだ SKILL.md の名前とリンクを示し、関係する指示を引用させる」と書いている方法に沿ったものです。

現場では、数か月かけて skill を足してきたリポジトリほど、同じ話題を別の言い方で指示している箇所が増えがちです。

止まった作業を見かけたら、まず上の点検用の依頼で、どの指示が原因かを名指しさせてください。

4. 「先に確認を取れ」と書いた境界文を緩める

棚卸しをすると、他のモデル向けに入れた「ここから先は聞いてから」という境界文がよく見つかります。

公式のブログは、まさにこの境界文を名指しして見直しを勧めているのが、この公式ブログです。

図解 4:強い境界文をゆるめる(これまで→見直したら)
図:Ainova 作成
公式ドキュメントの記述
  • Rethinking skills and prompts for GPT-6 Astra:「Astra could take it too seriously and may stop work where you’d actually be happy for it to continue.」(Astra はそれを真剣に受け取りすぎて、続けてほしい場面でも作業を止めることがある)
  • 前提(公式):他のモデルがやりすぎないように書いた境界を、GPT-6 Astra に替えるときに更新することを検討する
  • 強さ:consider(検討して)。弱い

原文の言葉は「消して」ではなく、「検討して」。

公式のプロンプト例は、すでに許可された作業は、確認の質問より先に終える方向で、人が承認するのは具体的で確認できる成果物にするという趣旨で書かれています。

Before:見直す前
# AGENTS.md
- 既存ファイルを変更する前に、必ずユーザーに確認する。
- 少しでも迷ったら、作業を止めて質問する。
After:見直したあと
# AGENTS.md
- 依頼された変更のうち、すでに許可されている作業は、確認なしで最後まで進める。
- 本番のデータに触る操作と、ファイルの削除だけは、実行の前に確認する。

なお、ここで言う Astra の挙動が GPT-6.1 Sol にも該当するかは、公式が書いていません。

公式ブログには、Sol や Luna で役に立っていた指示が Astra では縛りすぎになる、という向きの記述もあります。

現場では、夜間に流した作業が最初の確認待ちで止まり、朝まで進まなかった、という形でこの境界文の影響が表れがちです。

止めたい場面を「本番データ」「削除」のように具体的に絞れば、それ以外では止まらなくなるでしょう。

5. 「レビューまで止まれ」より、完了の定義を書く

4番が「聞いてから動く」指示なら、5番は「一度作ったら止まって見せる」指示です。

どちらも、モデルが作業を途中で終える理由になりえます。

図解 5:完了の定義を書く(これまで→見直したら)
図:Ainova 作成
公式ドキュメントの記述
  • Rethinking skills and prompts for GPT-6 Astra:「A requirement to stop for review after the first implementation will pull the model toward an earlier stopping point, so check whether that’s a decision you actually need to make.」(最初の実装でレビューのために止まれ、という要件は、モデルを早い時点で止まる方へ引っぱる。本当に必要な判断か確かめる)
  • 公式の対処:実装を動かし、結果を確認し、落ちたものを直すところまでを依頼に含め、始める前に完了を定義する
  • 強さ:check whether(確かめて)。弱い

公式は、レビューのために止まる指示を全部消せとは書いていません。

「その判断が本当に必要か確かめて」と書いているだけなので、止めたい場面は残して構わないでしょう。

Before:見直す前
# AGENTS.md
最初の実装ができたら、必ずユーザーのレビューを待つ。
After:見直したあと
# AGENTS.md
ローカルのテストは使い捨てのデータで動き、本番にはつながらない。
テストを実行し、依頼した変更が原因の失敗を直し、影響を受けたテストを再実行する。
そのつど承認は求めない。

# 依頼文
実装を動かして結果を確認し、落ちたものを直すところまでを、この依頼に含める。

After の AGENTS.md は、公式ブログの例を日本語にしたものでした。

完了の条件を先に書けば、モデルは「動かして直す」までを自分の仕事と読み取れます。

現場では、「実装して」と頼んだのに、動作確認の前に「確認をお願いします」と戻ってくる場面が該当します。

完了の定義を1行足すだけで、その往復が1回減るかどうか、まず1つの作業で比べてください。

6. 「テストを必ず書け・回せ」をやめて、テスト量を絞る

5番で「テストを回して直すところまで」を依頼に含めると、次に出てくるのがテストの量です。

公式は、前のモデルに必要だった「テストを書け」の指示が、今は過剰になりうると書いています。

図解 6:テスト指示を絞る(これまで→見直したら)
図:Ainova 作成
公式ドキュメントの記述
  • Rethinking skills and prompts for GPT-6 Astra:「Previous models needed encouragement to run tests and check their work. GPT-6 Astra does that on its own, so the same instructions can lead to unnecessary testing.」(前のモデルはテストの実行や確認を促す必要があった。GPT-6 Astra は自分でやるので、同じ指示が不要なテストにつながりうる)
  • Testing and verification に、テストを絞るための公式のプロンプト例がある(出発点として)
  • 強さ:傾向の説明と、出発点としてのプロンプト例
Before:見直す前
# AGENTS.md
変更のたびに、必ずテストを書き、全件を実行する。
After:見直したあと
# AGENTS.md(公式のプロンプト例の趣旨を日本語にしたもの)
変更に見合ったテストを回し、必須の確認を終える。
それらが通ったあとにテストを広げたり繰り返したりするのは、新しい変更・失敗・未解決の懸念があるときだけにする。
実装をなぞるだけの、元に戻せて影響の小さい変更には、テストを書かない。

現場では、1行のタイポ修正のたびに全件のテストが動くと、待ち時間が増える一方です。

公式の文は「小さいタスクで、必要以上に広いテストになりうる」とも書いているため、この見直しが向くのは小さな変更の多いリポジトリでしょう。

一方、テストを絞ることが品質を下げないかは、手元の課題で確かめるしかありません。

外す前に、テストを回したときと回さなかったときの結果を並べてください。

7. 長い skill の説明と「毎回全部読め」をやめる

テストの話と同じ理由で、「毎回読め」と書いた指示も見直しの対象です。

公式のブログは、skill の説明が長すぎることと、編集のたびに文書を読ませることの2つを挙げています。

図解 7:長い説明・全部読めをやめる(これまで→見直したら)
図:Ainova 作成
公式ドキュメントの記述
  • Rethinking skills and prompts for GPT-6 Astra:「Prompting the model to read files before every edit is a great way to burn context and slow work down.」(編集のたびにファイルを読ませる指示は、コンテキストを消費して作業を遅くする、よい方法だ)
  • 同じブログ:skill が増えすぎると、Codex は説明を短く切り詰めて読み込み、モデルから見える説明が減る
  • 強さ:方針の提示(説明は、使う場面が分かる範囲でできるだけ短く)
Before:見直す前
# AGENTS.md
編集のたびに、architecture.md・database.md・deployment.md を読む。

# SKILL.md の description
Postgres のスキーマ移行を作って検証する。データベース、クエリ、モデル、永続化を扱うときに使う。
After:見直したあと
# AGENTS.md
サービスの境界は architecture.md、スキーマの変更は database.md、デプロイの準備は deployment.md を使う。

# SKILL.md の description
Postgres のスキーマ移行を作って検証する。移行を追加・変更するとき、またはそのロールアウトを見直すときに使う。

どちらの After も、公式ブログの Bad と Good の例を日本語にしたものでした。

Before の説明だと、データベースに関わる作業のたびにこの skill が呼ばれるのに対し、After は移行の作業だけに絞られます。

現場では、タイポの修正にも3つの文書を読ませると、読み込みだけで文脈の枠と時間を使ってしまいます。

公式も、文書を指すこと自体は役に立つとしており、問題にしているのは「毎回」と「全部」の部分。

8. AI 臭い語を名指しで禁止する

最後の8番は、モデルが書く文章の癖への手当てです。

ここだけは、公式が禁止する語を例文として具体的に書いている項目です。

図解 8:AI 臭い語を名指しで禁止(これまで→見直したら)
図:Ainova 作成
公式ドキュメントの記述
  • Personality and writing style:「Avoid using slop words or phrases like “Bottom Line:” in conclusions, “delve,” “foster,” “leverage,” \”it’s worth noting,\” “importantly,” …」(結論の「Bottom Line:」、delve・foster・leverage・it’s worth noting・importantly などの決まり文句を避ける)
  • 同じ箇所:「In short:..」のようなまとめの一文や、聞かれていない「X ではなく Y」の対比も使わない
  • 強さ:出発点のプロンプト(start with this prompt)

公式の例は英語で書かれています。

日本語の出力にも同じ効果があるかは公式が書いていないため、次の After は筆者が日本語に置き換えた案として読んでください。

Before:見直す前
# AGENTS.md
(文体について何も書かない)
After:見直したあと
# AGENTS.md
結論の見出しには「結論:」「要するに」を付けないこと。
「重要なのは」「注目すべきは」は使用禁止。
「要約すると」の形で、まとめの一文を足さない。
聞かれていない対比(「Xではなく Y」)は持ち出さないでください。

現場では、PR の説明文やコミットメッセージ、レポートの下書きで、同じ決まり文句が並ぶ場面が対象です。

語を名指しで書いておけば、直させる側が「この語を消して」と伝える手間も減ります。

一方で、禁止語を増やしすぎると、文が不自然になる副作用もありえます。

まず数個に絞り、出力を読んで足し引きしましょう。

ChatGPT と Codex で GPT-6.1 Sol に切り替える手順

8つの中身が分かったので、次は実際にモデルを切り替える手順です。

ここからは、Codex の CLI・設定ファイル、そしてデスクトップアプリと ChatGPT Work での選び方を解説していきます。

1番の gpt-5.5 の置き換えも、この手順でそのまま済みます。

CLI の起動時の指定とコマンドは、公式ページに書かれたものを使いました。

1. Codex CLI:起動時に指定する・対話中に切り替える

いちばん手軽なのは、起動のときに –model(または -m)を付ける方法です。

非対話の codex exec でも同じオプションが使えるため、定期実行の書き換えは1番のとおりです。

codex --model gpt-6.1-sol

codex exec -m gpt-6.1-sol "Review the current changes"

すでに起動している対話セッションでは、/model でモデルを選び直し、推論の深さも変えられます。

Max や Ultra を使いたいときは、/model でモデルを選んだあとに「More reasoning…」を選んでください。

Codex CLI 0.159.3 で /model を開いた画面。GPT-6.1-Sol が既定のモデルとして選択肢に出ている
画像:Codex CLI 0.159.3

モデルを選ぶと、続けて effort を選ぶ画面に移ります。

2026年10月1日に手元で確かめたところ、GPT-6.1 Sol では Low に「default」と付いていました。

API の既定は medium なので、Codex と API では出発点が違う点に気をつけてください。

Codex CLI 0.159.3 で GPT-6.1-Sol の effort を選ぶ画面。Low に default と付き、Medium・High・Extra high・More reasoning が並ぶ
画像:Codex CLI 0.159.3

Max と Ultra は、プランや設定によって出ないことがあると公式が断っています。

CLI のバージョンが古いと GPT-6.1 Sol が出ないのかどうかは、公式のページに書かれていませんでした。

公式の changelog によると、GPT-6.1 Sol が既定モデルになったのは CLI 0.159.1 からです。

選択肢に出ないときは、CLI を最新版へ更新してから試してください。

2. config.toml:既定のモデルと effort を固定する

毎回オプションを付けたくない場合は、設定ファイルに書いておきましょう。

2番で触れた effort も、ここで一緒に決められます。

# ~/.codex/config.toml
model = "gpt-6.1-sol"
model_reasoning_effort = "medium"   # 値は low / medium / high / xhigh / max / ultra

公式は、まず「クライアントで既定になっている effort」から始め、慣れた課題を低い設定で試して、結果を見て調整するよう書いています。

「世代が変わると effort の対応はそのまま一致しない」とも書いているので、前のモデルで決めた値をそのまま持ち込まないでください。

なお、設定値と画面の表記は一致しません。

Astra の Light は設定上 low で、デスクトップでは Light、CLI では Low と表示される点に注意してください。

3. デスクトップアプリと ChatGPT Work:Power 設定から選ぶ

デスクトップアプリと Web の ChatGPT Work では、入力欄の下にある Power 設定でモデルの深さを選びます。

公式は、アカウントで既定になっている設定から始め、より深く考えさせたいときは Smarter、速く安くしたいときは Faster へ動かすよう案内しています。

モデル・effort・速度を個別に決めたいときは、Advanced を開いてください。

Power のプリセットに GPT-6.1 Sol が載るかは、公式の説明の範囲では確認できませんでした。

Max が出ないときはアプリの設定を、Ultra がスライダーにないときは Settings の Configuration にある「Ultra in model picker slider」を確かめてください。

公式のとおり Codex で試した結果:GPT-6.1 Sol の実測

切り替え方が分かったところで、気になるのは、公式の見直しが GPT-6.1 Sol でも通用するのかという点です。

3番から8番は GPT-6 Astra での観測なので、Sol で同じことが起きるかは、手元で動かさないと分かりません。

ここからは、公式が勧める「慣れた課題を試して、結果を見て調整する」やり方で、Codex で GPT-6.1 Sol を動かして確かめた結果を見ていきます。

2026年10月1日に、Codex CLI 0.159.3 で公式の勧めを手元で試しました。

題材は、35行ほどの Python に境界値のバグを1つ入れ、テストが2件落ちる状態にしたものです。

指示文は全部の条件で同じにし、ふだんの設定が入り込まないよう、空の設定フォルダで動かしました。

Codex CLI 0.159.3 で同じバグ修正を5つの条件で比べた結果。GPT-6.1 Sol は low・medium とも29秒で成功、gpt-5.5 は54秒、強い文の AGENTS.md では確認を求めて未修正、完了の定義では24秒で成功
図:Ainova 作成
モデル・effortAGENTS.md時間結果
GPT-6.1 Sol・lowなし29秒6/6 成功
GPT-6.1 Sol・mediumなし29秒6/6 成功
gpt-5.5・mediumなし54秒6/6 成功
GPT-6.1 Sol・medium強い文26秒確認を求めて停止(未修正)
GPT-6.1 Sol・medium完了の定義24秒6/6 成功

易しい修正なら、low と medium で差は出なかった

GPT-6.1 Sol は low でも medium でも、1行を直して29秒で6件のテストを通しました。

出力のトークンも458と504で、ほとんど変わりません。

公式の「軽い設定から試し、結果を見て上げる」という勧めは、少なくともこの程度の修正では問題なく当てはまりました。

一方で、旧モデルの gpt-5.5 は54秒かかり、コマンドの実行も8回と、6.1 Sol の5回より多くなりました。

ただし各1回ずつの値なので、速さの差は参考程度に見てください。

「必ず確認を取れ」と書くと、1行の修正でも止まった

差がはっきり出たのは、AGENTS.md の書き方です。

「変更する前に必ず確認を取ること」「テストを全部書くこと」と書いた版では、6.1 Sol はその文を引用して手を止め、修正してよいかを聞いてきました。

しかも、頼んでいない網羅テストの追加まで計画に入れていて、テストは2件落ちたまま終わっています。

これに対して、「テストが全部通ったら完了、確認は不要、報告は2〜3行」と完了の定義を書いた版は、確認なしで24秒で直し、報告もいちばん短くなりました。

つまり、公式が見直しを勧める強い境界文は、6.1 Sol でも文面どおりに守られ、作業を止めてしまうということです。

試すときに気をつけること

手元にあった Codex CLI 0.146 では、gpt-6.1-sol を指定すると「ChatGPT アカウントでは未対応」というエラーになりました。

同じログインのまま 0.159.3 に替えると通ったため、原因は契約ではなく CLI の版だと分かります。

また 0.159.3 では、codex exec を別のツールから呼ぶと、入力待ちのまま止まることがありました。

その場合は、コマンドの末尾に </dev/null を付けると正常に終わります。

8つのほかに、API で変わった点

ここまでは、Codex と ChatGPT を使う人向けの見直しを見てきました。

ここからは、API で GPT-6.1 Sol を呼ぶ人に関わる変更を、短く解説していきます。

詳しい Before と After は、開発者向けの別記事にまとめる予定です。

ここでは、公式の Using GPT-6 と reasoning のページに書かれていることだけを挙げます。

  • サンプリング系のパラメータを消す:temperature・top_p・top_logprobs は、推論を使うときは消す。Chat Completions では logprobs も消す(Migration quickstart)。渡したときの挙動は、原文に書かれていません
  • ツール呼び出しは Responses API で:GPT-6.1 Sol は Chat Completions でも呼べますが、ツール呼び出しは Responses が必要です
  • プロンプトキャッシュの指定を替える:GPT-5.5 以前から移るときは、prompt_cache_retention を、30m を指定した prompt_cache_options.ttl に替える
  • 会話の途中で effort を変えるとき:リクエスト側の reasoning.effort は動かさず、メッセージの間に configuration_update を入れる(reasoning のページ)

どれも API だけの話なので、Codex や ChatGPT の画面で使う人は意識しなくて済みます。

GPT-6.1 Sol のよくある質問

最後に、GPT-6.1 Sol について出てきそうな疑問を、公式の情報で答える形にまとめました。

GPT-6.1 Sol は無料で使えますか

ChatGPT の Free と Go では、発売時は対象外です。

公式のモデルのページでは、対象は Plus・Pro・Business・Enterprise・Edu で、Codex のデスクトップアプリと CLI、ChatGPT Work に出ます。

ChatGPT の「Chat」には出ません。

API は従量課金で、入力 $2・出力 $10(100万トークンあたり)です。

新しいアカウントに無料のクレジットが付くかは、今回は確認していません。

GPT-6 Astra と GPT-6.1 Sol のどちらを選べばいいですか

公式は「自分の課題で Astra と比べて、品質とコストのバランスを見て」と書いています。

最高性能が要る場面は Astra、複雑な作業を低いコストで回したい場面は GPT-6.1 Sol、という位置づけでした。

単価は Astra が入力 $10・出力 $50、GPT-6.1 Sol が入力 $2・出力 $10です。

だから、まず GPT-6.1 Sol で試し、足りない課題だけ Astra に上げる順が、費用の面では無駄が少ないでしょう。

GPT-5.5 を使っている設定は、いつまでに直せばいいですか

ChatGPT サインインで使う ChatGPT と Codex では、2026年10月14日に退役します。

API と、API キーで認証した Codex は対象外です。

退役後に古い指定がどう動くかは公式に書かれていないので、10月14日より前に、config.toml・スクリプト・カスタムエージェントを書き換えてください。

Astra 向けの見直しは、GPT-6.1 Sol にも当てはまりますか

公式は、プロンプトガイドが GPT-6 Astra で観測した挙動に基づくと断り、自分のモデルと作業で確かめるよう書いています。

そのため、3番から8番は「同じになるかどうか、確認が要る」と読むのが正確です。

一方、1番の退役日と2番の対応する値は、GPT-6.1 Sol の仕様として書かれていました。

まとめ:今日やることチェックリスト

ここまでの内容を、最後に短く振り返りましょう。

GPT-6.1 Sol は、Astra に近い性能を、API で5分の1の単価で使うモデルでした。

公式の資料が見直しを求めているのは、突き詰めると「期限と仕様は直し、指示文は減らして、完了の条件を書く」の3つにまとまります。

今日やることチェックリスト
  • 設定:config.toml・スクリプト・カスタムエージェントの gpt-5.5 を、10月14日より前に書き換える
  • 設定:effort は low から選び、同じ課題で結果を比べる
  • 指示文:AGENTS.md と skills を点検し、矛盾と優先順位のない所に1行足す
  • 指示文:「先に確認」「レビューまで止まれ」を、止めたい場面だけに絞り、完了の定義を書く
  • 指示文:「テストを必ず」「毎回全部読め」を外して、小さな変更で比べる
  • 文体:避けたい語を数個、名指しで書く

3番から8番は GPT-6 Astra で観測された挙動で、GPT-6.1 Sol でも同じかは公式も言い切っていません。

そのため、1つずつ外して、手元の課題で結果を並べてから決めるのが確実でしょう。

Claude Opus 5.5 について、公式が変更を求めている点を同じ形でまとめた記事もあります。

「Claude Opus 5.5 の使い方|公式が「やめて・変えて」と言う8つのこと」をあわせて読むと、2つのモデルの違いが見えてきます。

※料金・無料枠・商用利用の条件は2026年10月1日時点の情報です。

最新の内容は公式サイトでご確認ください。

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