【悪用厳禁】ディープフェイク画像・動画の作り方やおすすめのサイト・アプリを徹底解説!
生成AI技術が進化したことで、現在は誰でも容易にディープフェイクの動画や画像を作成できるようになりました。
この技術を用いることにより、実際には存在しない人物を映像や写真に登場させたり、公共の人物の顔や声を変更したりすることが可能になり、多方面での応用が期待されています。
その一方で、ディープフェイク技術を悪用する事例も増えており、フェイクニュースの拡散や個人のプライバシー侵害といった様々なリスクが浮き彫りになっているのも確かです。
この記事ではディープフェイク技術についての基本情報、作成プロセス、使用できるプラットフォーム、必要な費用、そして倫理的な使用法について、詳しく解説しています。
ディープフェイク技術に関心がある方や、その社会的影響を深く理解したい方は、ぜひこの記事をご覧ください。
ディープフェイクとは
ディープフェイク(DeepFake)は、ディープラーニング(深層学習)とフェイク(偽物)を組み合わせた造語であり、2つの画像や動画の一部を結合させ、元とは異なる動画を作成する技術です。
この技術により、人物が実際には行っていない動作をしたり、言っていないことを発言しているかのように見せることが可能です。
ディープフェイクは、画像や動画を組み合わせることで、実在しないアクションやシーンをリアルに再現する能力を持つため、エンターテインメント分野では作業効率の向上や新たなコンテンツの生成に大いに期待されています。
しかし、同時に偽情報の拡散や個人のプライバシー侵害などの問題も深刻化しています。
ディープフェイクで出来ること
映像や写真の顔の入れ替え
ディープフェイク技術を用いることで、既存の映像や写真の中の人物の顔を、別の顔に差し替えることが可能です。
具体的な事例としては、プロスポーツの試合で、選手と自分の顔を入れ替えることによってファン体験を向上させることが挙げられます。
例えば、米国のNBA(National Basketball Association)では、リアルタイムでプレイヤーに別人の顔が投影されるARマーケティング手法が開発されています。
また、映画の撮影中に俳優や女優が何かの問題で演技を続けることができなくなった場合、ディープフェイクを用いて他の演者の顔に任意の俳優や女優を投影し、撮影を続けることが可能です。
実際に、「ワイルドスピード7」でポール・ウォーカーさんが不慮の事故で亡くなった際、ご遺族(弟)の顔にポールさんの顔を投影して撮影が続行された事例があります。
音声のクローン作成
ディープフェイク技術を使えば、特定の人物の音声をクローン生成することができます。
この技術を活用することで、本人が実際には発していない言葉でも、まるでその人が話しているような音声を作成することが可能です。
例えば、亡くなった人の声を再現したり、引退した声優の声を復元することができます。
実際に、2021年に公開されたドキュメンタリー映画「Roadrunner: A Film About Anthony Bourdain」では、故人の声が再現されたことがあります。
また、歌声のクローン生成も可能で、お気に入りの歌手のデータセットがあれば、自分で作詞した曲をその歌手に歌わせることもできます。
音声のクローン作成技術は、こうした多様な応用が可能ですが、使用する際には倫理的な側面、著作権、肖像権などに十分に配慮することが重要です。
架空の人物の生成
ディープフェイク技術を用いることで、架空の人物を生成し、映像や写真に登場させることができます。
これにより、著作権や肖像権の問題を回避しつつ、独自のキャラクターやモデルを創造し、様々な分野での利用が可能になります。
例えば、広告やエンターテイメント業界では、架空のキャラクターを作成し、それを商品のPRや映画、ゲームなどで使用することができます。
さらに、ファッション業界では、実在しないモデルを使って衣服を紹介することも可能です。
ディープフェイクの注意点や悪用例
ディープフェイクは様々な面で有益ですが、悪用されるリスクも高く、既に多くの問題が発生しています。
ここでは、ディープフェイクの注意すべきポイントと悪用例を紹介します。
自身が被害者にも加害者にもならないために、ディープフェイクのネガティブな側面に対しても理解を深めていきましょう。
ディープフェイクポルノ
ディープフェイクの悪用例として最も深刻なのは、実在する人物の顔を無関係なポルノ画像や動画に合成する「ディープフェイクポルノ」です。
これは被害者の名誉やプライバシーを侵害し、精神的なダメージを与える可能性があります。
例えば、テイラー・スウィフトさんは長年にわたりディープフェイクポルノの被害に悩まされ、2024年2月には偽のポルノ動画が大きく拡散されました。
日本でも2020年に関連する事件で初の検挙が行われています。
ディープフェイク動画を作成したり拡散したりすることは、名誉毀損などの罪に問われる可能性がありますので、実在する人物の写真を使ったディープフェイクポルノの作成は絶対に辞めましょう。
【Xでニセ画像拡散】テイラー・スウィフト「ニセ画像」が大統領選に影響? バイデン陣営も期待
偽動画の作成と拡散
ディープフェイクは政治家や著名人の偽動画を作成し、それを「フェイクニュース」として拡散する手段としても使用されています。
2022年にはウクライナのゼレンスキー大統領がロシアに降伏を促すとされる偽動画が拡散され、2024年に入っても同国ザルジニー総司令官が政権批判をする偽動画が拡散されました。
ウクライナ政府はこのような偽情報に対抗するために「偽情報対策センター」を設置し、積極的な対応を進めています。
フェイクニュースの拡散は社会に混乱をもたらすだけでなく、政治的な動きにも影響を与えることがあるため、ディープフェイク技術の使用には細心の注意が必要です。
【ロシア側によるフェイクニュースへの対策強化】 ウクライナ偽情報対策センター“情報戦”の最前線
詐欺犯罪
ディープフェイクは詐欺行為にも悪用されており、偽の音声メッセージや動画を使って親族や知人を装い、金銭を騙し取る事件が発生しています。
特に注目すべきは、2024年2月に香港で発生した大規模な詐欺犯罪です。
この事件では、多国籍企業の財務担当者がディープフェイクを使用したビデオ通話に騙され、約38億円を詐欺師に送金しました。
ディープフェイクの進化は、詐欺の手口をより巧妙かつ危険なものに変えているため、この技術のリスクに対する理解と警戒が必要です。
ディープフェイクが作れるサイト
ここでは、ディープフェイクを作成できるウェブサイトについての解説を行います。
ディープフェイク技術を適切に活用すれば、クリエイティブなコンテンツの生成や作業プロセスの効率化に繋がることは間違いありません。
しかし、ディープフェイクの使用には倫理的な責任が伴うことを忘れてはなりません。
悪用は絶対に避け、正しい目的でのみ利用するよう心掛けてください。
SeaArt
SeaArtは、シンガポールのSTAR CLUSTER PTE. LTD.によって運営されている画像生成AIツールです。
このツールは、顔のスワップだけでなく、「コントロールネット」を使用したポーズやパラメーターの調整、「img2img」機能によるスタイル変換、「AI補完」による自動外枠生成、「アップスケール」による解像度の向上など、多様な機能を提供しています。
無料プランでもほとんどの機能が利用可能で、アクセシビリティと機能性の面でユーザーから高い評価を受けています。
DeepSwap
DeepSwapは、顔交換が簡単にできるAIオンラインプラットフォームです。
Webベースで利用可能なので、コーディングの知識やアプリのインストールは不要で、自分の顔を映画のキャラクターや有名人の顔に置き換えることができます。
さらに、GIFやミームの制作も可能で、写真の背景削除や画質向上など、様々な画像編集機能が備わっています。
Akool
Akoolは、Webブラウザ上で利用できる世界で100万人以上が利用する画像生成AIツールです。
Akoolの最大の特徴は、「フェイススワップ」機能の精度の高さで、他のツールと比べて抜きん出ています。
顔の角度や表情、照明条件などが異なる画像同士でも、違和感なく自然にフェイススワップが可能で、まるで最初からその人物が映っていたかのような仕上がりになります。
そして何より嬉しいのは、Akoolではアカウント登録するだけで、フェイススワップを含む様々な機能を無料で試せることです。
初回ログイン時には50クレジットが付与されるため、その範囲内ですぐにフェイススワップ機能を試すことができます。
フェイススワップ機能を無料で使ってみたい方は、ぜひAkoolを試してみてください。
Murf.AI
Murf.AIは、AIによるリアルな音声生成を可能にするディープフェイクツールです。
声の生成には120種類以上のプロナレーターの声が使用でき、日本語も含めた20言語以上の言葉で出力することができます。
自分の声や特定の人物の声も学習させるVoice Cloning機能もあり、音声のピッチや速度の調整、特定単語の発音カスタマイズなどを通じて、リアルなディープフェイクコンテンツの生成が可能です。
HeyGen
HeyGenはAIを用いた動画生成ツールであり、多様な機能を備えています。
T2V(Text to Video)機能をはじめ、動画や音声の編集機能、そしてアバター生成機能が含まれています。
アバター生成機能では、男性や女性のアバターをベースにして、衣服を含めた外見の細部を自由にカスタマイズできます。
さらに、自分の声をクローン生成して、AIアバターの音声として利用することもできます。
また、「Talking Photo」という機能を使えば、写真の中の人物に話をさせる動画を作成することが可能です。
1.SeaArt公式サイトへアクセス
まずはSeaArtの公式サイトへアクセスして下さい。
右上の「ログイン」ボタンをクリックしてアカウント作成へと進みます。
2.SeaArtアカウント作成
アカウントはGoogleIDなどで作成可能です。
アカウントが作成できたらAI生成をするための「スタミナ」というクレジットポイントが自動で150付与されます。
3.クイックAIから「AIフェイススワップ」選択
ホーム画面上にある「クイックAI」から「AIフェイススワップ」を選択してください。
最初に動画のテンプレートを選択すると、ワークスペースにプレビューが表示されます。
次に、動画に導入する顔画像をアップロードしてください。
最後に「創作」をクリックすると生成が始まります。
4.ディープフェイク動画生成
今回の例では分かりやすいように、アジア人女性の顔を欧米人の顔に入れ替えてみました。
生成にかかる時間は数十秒ほどです。
特にプロンプト入力やパラメーター指定はしていません。
SeaArtを用いれば誰でも簡単にディープフェイクを試すことが可能です。
ディープフェイクを作るための費用
ディープフェイクを作成する際の費用は、使用するツールやプラットフォームによって異なります。
たとえば、DeepSwapの場合、月額9.99ドルから利用可能で、SeaArtは月額2.99ドルから、そしてMurf.AIやHeyGenも共に月額29ドルからのプランが提供されています。
また、SeaArtのように無料プランがあるプラットフォームもありますが、一定の制限が付きます。
一方で、動画クローンや音声クローンなど高度なディープフェイク生成を望む場合、費用は高くなる傾向があります。
例えば、DeepBrainのようなAIプラットフォームでは、自身や特定の人物のAIアバターを生成する際にスタジオ撮影などの追加コストが必要になることがあります。
生成したディープフェイクの商用利用について
ディープフェイクを商用利用する場合、利用する生成AIプラットフォームの規約を事前に確認する必要があります。
例えば、この記事で取り上げた「SeaArt、Murf.AI、HeyGen」では商用利用が可能ですが、これらのプラットフォームは生成されたコンテンツの所有権を放棄していない点に注意が必要です。
ユーザーが規約違反や違法行為を行った場合、コンテンツの利用だけでなく、プラットフォーム自体の使用が制限されることがあります。
また、著名人や有名キャラクターを使用したディープフェイクは、著作権や肖像権の侵害に繋がる可能性があるため、特に注意が必要です。
そのため、商用利用のみならず、SNSへの投稿なども違法行為となることがありますので、利用の際には慎重に行動することが求められます。
画像生成AIの著作権について学べるおすすめ書籍
この本は、画像生成AIに関する著作権法、機械学習技術、そしてクリエイティブ業界の慣習という3つの異なる視点から、学習データや生成画像の法的および倫理的な問題を深掘りする一冊です。
イラストレーター、AI開発者、弁護士という、それぞれの専門分野を持つ3人が異なる視点で、50の質問に答えながら、画像生成AIを取り巻く権利や倫理についての理解を深め、議論を展開しています。
画像生成AIと著作権の基本概念から始まり、生成モデルの著作権に関する問題、学習データに関する課題、トラブル発生時の対応策、そして画像生成AIの将来像に至るまで、幅広いテーマを扱っています。
画像生成AIを利用している方、商業的な用途での使用を検討している方、または画像生成AIの法的・倫理的な側面に関心を持つ方などは必見の内容となっています。
Q.スマホでディープフェイクの動画は作れる?
SeaArtというサイトを使えば、スマホでも誰でも簡単に動画を作成できます。
Q. ディープフェイクの作成は法律違反?
ディープフェイクの画像や動画の作成自体は違法ではありません
ただし、偽情報の拡散や、他人の画像や動画を勝手に使って画像や動画を生成することは違法になる可能性があります。
Q. 芸能人の画像や動画を使ってディープフェイクは作って大丈夫?
芸能人やの画像や動画を勝手に使って画像や動画を生成することは、違法になる可能性がありますので、絶対にやめましょう。
まとめ
この記事では、ディープフェイクの概要、具体的な機能、生成プロセス、そして注意点について解説しました。
ディープフェイク技術は、自身のAIアバターを作成することや、教育分野での歴史的人物の再現など、多岐にわたる用途での活用が期待されています。
一方で、政治的な目的や犯罪に悪用されるケースも目立っており、この技術の使用には慎重さが求められます。
そのため、ディープフェイクを使用する際には、創造性を発揮することに加えて、著作権や肖像権といった法的な問題に対する理解も必要です。
くれぐれもこの素晴らしい技術を悪用するのではなく、社会をより良くするために使っていただければと思います。
本記事がディープフェイクに対する理解を深める上で、皆様のお役に立てる情報となれば幸いです。