【リブ・コンサルティング調査】企業における生成AI活用の実態と成果
株式会社リブ・コンサルティングが2024年3月に実施した「生成AIに関する実態調査」により、企業での生成AIの日常利用率が42%に達し、その利用者の84%が業務へのプラスの影響を実感していることが明らかになりました。
この調査は、年間売上高1,000億円以上を誇る企業の課長職以上の従業員を対象に実施されています。
この記事の要点
- 企業での生成AIの日常利用率は42%にのぼり、その中で84%が成果を実感している。
- 使用頻度は部門や業界によって異なり、人事部門やシステム部門での利用が目立つ。
- 導入ハードルとして「使用方法のノウハウ不足」が43%と最も多く挙げられている。
企業における生成AIの現状
ChatGPTなどの技術が普及し始めて以来、認知度と活用度が大きく進みつつあると考えられています。
今回の調査では、企業の生成AIの日常利用率は42%にとどまり、全く利用していない企業が55%と半数以上を占めていることが判明しました。
まだ、過半数の企業が生成AIを業務に取り入れていません。
部門・業界による利用状況の違い
生成AIの使用頻度は部門や業界間で、大きな差があります。
部門別では、人事部門(76%)、システム部門(63%)、企画部門(53%)、経営層(50%)が特に頻繁に使用しています。
業界別では、IT・通信・メディア(57%)、商社(50%)の日常利用率が高い一方、その他の業界ではそれほど利用が進んでいません。
生成AIの成果
生成AIを利用した結果、23%の企業が「業務において成果があった」と回答しています。
55%の企業は利用していないため、利用した企業(45%)のおよそ半数が成果を感じていることが判明しました。
一方で、19%の企業は「どちらともいえない」と回答しています。
生成AIの導入ハードル
43%の企業が導入段階の障壁として「使用方法のノウハウが不足している」ことをあげています。
また、「セキュリティ面の課題(33%)」「導入効果の不透明性(31%)」「対象の選定が困難(30%)」など、導入前に多くの課題があることが浮き彫りになりました。
生成AIが今後普及するためには、これらのハードルを乗り越えることが必要です。
生成AIとの今後の関係性
多くの人が、生成AIが今後自分の業務に与える影響について肯定的にとらえていることが明らかになりました。
特に、生成AIを業務にまだ導入していない人と比較して、すでに利用している人の方が、自分の業務への良い影響を強く実感している傾向があります。
教育の重要性
生成AIの導入において、教育は欠かせない要素の1つです。
全体の29%が生成AI関連の教育を実施しており、そのうち9%は既に教育の効果を確認しています。
特に、生成AIを利用している層では、半数以上が教育を実施していることが明らかになり、生成AIへの期待の高まりがうかがえます。
まとめ
この調査結果から、企業における生成AIの導入と活用に関する現状が明らかになりました。
生成AIは、業務効率化を目指す強力なツールとして期待されています。
しかし、普及や活用をすすめるためには適切な知識と教育が欠かせません。
今回の調査で明確になった課題に対処することで、生成AIのさらなる普及が期待できるでしょう。
引用元:PR TIMES